「開業費」の仕訳方法を知ったら、もれなく税制上のメリットも理解できました

   

フリーランスや個人事業主、またはそんな彼らの経理担当の皆さん!
開業して帳簿をつける時に「開業前の費用はどのように仕訳すればいいの?」と疑問を抱いていませんか?
事業開始前の費用の一部などは、もうご存知の通り「開業費」という勘定科目として計上することができます。

しかし、意外と「何が開業費に仕訳できるのか」「どのように経費計上すればいいのか」、具体的な仕訳方法を知らない人も多いのです。

 

 

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先日のわたくし(個人事業主)と妻(経理担当)のやり取り

「嫁、よめ〜」

 

「何よ!もうその呼び方も慣れてきたけどね!」

 

「オレの確定申告もう終わった?」

 

「収入と経費の集計は終わって下書きまでしたから、あとは収支内訳書と申告書を清書するだけね。」

 

 

「さすが!うちの経理担当。頼りになります。って言うかちょっと気になったんだけど教えて?」
※妻は経理歴10年のベテランです

 

 

「いいわよ。何かしら?」

 

 

「独立する前に使った経費はどうやって処理されるん?」

 

 

「あーそれ、結構大事なのよね。とりあえず普通の経費ではないわ!!」

 

 

 

今日はそんな「開業費」について詳しく解説しました。

 

 

 

ただし、この内容はあくまで「個人事業主」についてです。
「法人」の場合は会社を設立して「よっしゃ営業するで!」と営業開始するまでの開業準備のための費用を指しますので、個人事業主とは異なることをご注意ください。

 

 

 

 

事業開始前の開業にかかった費用はどうなるの?

新たに事業を開始した際に税務署に提出する書類に、「個人事業の開業・廃業等届出書」があります。
その届出書にある「開業日」の欄に仮に7月1日(←これが事業の開業日になります)と記載した場合はどうなるのでしょうか。

 

 

例えば…

7月1日よりも前に印刷会社に依頼した名刺。

7月1日よりも以前にこれからの取引先との打ち合わせに使った交通費や飲食代。

これらを7月1日の日付でまとめて、「消耗品費」や「旅費交通費」の科目にすれば良いのでしょうか?

 

 

「開業費に入れておいたよ!

 

 

そうなんです。
すでに開業費って言葉を知ってらっしゃる皆さんならもうご存知かもしれません。

 

Check !

開業前の準備期間に支出する経費の一部は、
開業費繰延資産として処理されます。

 

 

 

 

 

どんなものが開業費に該当するの?

それでは、どんなものが開業費として認められやすいのでしょうか?

 

Check !

・名刺や印鑑の購入費

・新しく事務所を契約したときの契約関連(ただし敷金などは除く)費用

・チラシ印刷代やウェブサイトの作成費用

・書籍代や講習会の参加費用

・通信費や水道光熱費など事業に関係している費用

これらは、後々の確定申告で開業費として認められやすいと言われています。
だから、開業費に計上する費用の請求書や領収書などの書類は、必ず保管しておきましょう。

 

 

とは言え、実はどのような費用が開業費として認められるか、明確に「これでっせ〜」と定められているわけではありません。
あなたの事業の業態と、発生した費用などから個別ケース毎に判断されます。
だからちゃんと説明できるように、領収書などちゃんと残しておきましょう!(同じこと2回言いました)

 

 

「あんた!独立する前のレシートだからって油断して捨てたでしょ!」

 

 

「はい…スイマセン…」

 

 

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開業費に該当しない経費は?

では逆に、開業費として認められないケースはどのようなものがあるでしょうか?

 

 

Check !

・固定資産に該当するもの
機械や車両など、1組の金額が10万円以上となるものは固定資産になるので開業費には該当しません。

・敷金や保証金
将来的に全額返金されるような支出は、開業費とは別に計上しておく必要があります。

・開業後に使用するような仕入商品や備品類
開業日において仕入高や消耗品に計上します。

・常識的に考えたら分かりそうな費用
もちろん事業に関係ない個人的な支出(そもそもこれは経費じゃない)や、何年も前に支出した費用は開業費として認められない場合もあるので注意が必要です。一般的には長くても半年前ぐらいが妥当なところと言われています。
ただし、特に税法上で期間が決められているわけではありません。

 

 

「なるほど…。とすると、去年買ったニンテンドーDSはアウトなわけね」

 

 

「当たり前でしょ!てか私それ買ったの聞いてないよ??」

 

 

「しまった…」

 

「あんた、開業前に嬉しそうにmac買ったでしょ?」

 

「うん」

 

「あれは固定資産になるわね」

 

 

「余裕で10万円超えてたもんね」

 

 

 

 

開業費の具体的な仕訳方法は?

開業費は前述のとおり繰延資産に該当します。

 

※繰延資産とは…支出された費用の中で、その効果が1年以上にわたって及ぶもの。

 

 

しかし、これが意外と知られていないのですが、
開業費の場合、償却期間は5年(60か月)の均等償却か任意償却が選択できます。
開業した年でなくても黒字が出た年にまとめて一括償却しても問題ないようです。

 

 

「これはちょっと専門的な話になるけど、よかったら参考にして!」

 

 

Check !

【帳簿上の仕訳方法】


開業費を計上するとき…

借方)開業費 / 貸方)事業主借

開業費を償却するとき…
借方)開業費償却 / 貸方)開業費
→この償却する時期や金額も選択ができるのだから便利ですね。

 

「え?じゃあ仮に開業費として100万円ぐらいかかったとします。
事業開始1年目は残念ながら赤字だったけど、2年目は事業がうまくいってボロ儲けしたとします。
1年目には計上せずに、2年目に節税のためにまとめて100万円を計上してもいいってこと?」

 

 

 

 

「そういうことになるわね!!」

 

 

 

※ちなみに国税庁のページには、償却期間の5年を超えた場合の質問があったので参考にしてください。
http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/shotoku/04/08.htm

 

 

「開業費すごい!好きな時に経費にできるなんてそんなのアリ!?
こりゃ、利益との相談ですな」

 

 

 

 

まとめ

ね、結構使えそうですよね、開業費。
スタートダッシュで頑張る起業家に対して、税法がちょっと優しい。
そんな気がしないでもないです。

 

 

それではまとめです。

・開業日以前にかかった経費の一部は、開業費として計上する

・開業費には「該当する項目」「該当しない項目」がある

・開業費は繰延資産として計上できる。しかも任意償却が可能で超便利!

 

 

 

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