【仕事終わらないけど帰る】残業拒否が自分・職場・業績にもたらしたもの

仕事が終わってないにも関わらず、誰よりも先に定時に帰る。
定時で帰れるような仕事内容ではなかったけど(ただ、しんどい仕事ではありました)、僕はこの生活を2年間続けたことがあります。

 

 

昔は残業と言えば当たり前のことでした。
時間的にたくさん働く事が善と言われていました。

今は逆のことが叫ばれています。
むしろ「残業ばっかりやっていると、そのうち日本滅ぶよ」みたいな感じのことが言われているぐらいです。
かつてハードワーカーだらけだったシリコンバレーのエンジニア達も、今や6時に起きてヨガをしてから仕事に行き22時には寝ています。

 

 

価値観も多様になり、仕事だけが生きがいの人は減りました。
家族を大切にする育メンも増え、家族を大事にしない男は、家庭内で居場所がありません。

 

 

 

しかし!!
未だに残業体質はどこの会社にもある!!
子どもと触れ合えない育メンが多いこと!!
趣味に時間を使えない女子も多いこと!!

 

 

 

僕が以前にいた会社もそうでした。
繁忙期になると夜中の2時まで居残り残業をする、あんまり良くない労務環境でした。
やってもやっても終わらない仕事…。
そんな中、僕は19時に帰っていました。

 

 

 

以前より残業体質に疑問を持っていた僕は、善かれと思って「定時で帰ったらどうなるか」を試してみたのです。

 

 

嫌われる覚悟はしていました。
会社に居づらくなる覚悟もしていました。
営業成績ももしかしたら下がるかもしれない、と覚悟していました。
僕、極端なんです。生きててゴメンナサイ。

 

 

果たして、
居残り残業を続けるスタッフを横目に、
「自分自身」「働いている職場」「仕事の成果」にどのような影響を及ぼしたのか。
完全に僕目線ですが、今日はそのことについて語りたいと思います。

 

 

 

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「お前、仕事終わってないだろ!」に対する反抗

定時に帰ろうとする社員には、管理職から次のようなパターンのセリフを言われることがあります。

 

「仕事も終わらせてないのに帰るとはどういうことか」

「偉そうな事いうのは結果を出してから言え」

このような、「やるべき仕事が残っているだろ」パターンと、

 

「時間内に終わらせてないのはお前の責任だろ」

「段取り悪いくせに早く帰るとはどういうことだ」

さらにこのような、「仕事ができないくせに帰るな」パターンです。

 

 

 

 

上司の言ってることは真実です。
やるべき仕事がどうしても終わらないから行うのが残業です。

与えられた目標にコミットしたにも関わらず、目標に到達してないのであれば、大人としてその責任をなんらかの形で取らないといけません。
その責任の取り方の一つが、残業です。

 

 

 

 

ただし、
この考え方は論理的に穴があります。

 

 

 

 

よくある上司側の論理を紹介しましょう。

 

残業しないといけないのは、仕事の成果にコミットできないお前が悪い。
私たちは決して無理な目標を設定していない。
君も目標設定の時に、同意したでしょ?

だから、残れ。

 

 

もっとズルい言い方をする上司もいます。

誰も残業しろなんて言ってないよ。
ただ、約束した結果さえ残してくれればいい。

 

 

 

 

ここに隠された論理的な穴。それは…

 

 

 

上司が部下に対して、目標を無理やりコミットさせることもできるし、
出来の良い誰かと比較して「お前は出来が悪いんだから残業になっても仕方が無い」みたいな無言の圧力をかけることだってできるということです。

言い方ひとつで残業せざるを得ない状況にもっていける、上司目線の理屈なのです。
もちろん、そんな指摘を上司に直接はできませんが(笑)。

 

 

残業しないといけないのは、部下の能力の無さのせい??
そんなわけないですよね。
本来はどちらにも責任があります。
能力の無い上司だっています。
「残業が素晴らしい」と旧来の考え方を引きずってる上司もいます。

 

 

上司がプロジェクトを成功させるために最適な人員配置・作業量の試算、モチベーション管理・部署内のコミュニケーションを適切に行えなかったら、部下の負担は増えます。
反対に部下がダラダラ働いていたら、時間はいくらあっても足りません。

 

 

 

違和感をずっと感じていた僕は、
「俺、仕事終わってないけど今日から19時に帰るわ」と、
急に同僚に宣言しました。

 

 

「仕事が終わらない」のではないのです。
「終わらない仕事がある」のです。

それはつまり、
今までの慣習で、そして社内のコミュニケーション不足で、終わらない仕事を作ってしまっている。
そこを変えたかった。

 

 

 

仕事が終わらないのに帰る僕の姿勢は、
「もうちょっと労務環境を考えようよ」
という僕からの生意気なコミュニケーションでもありました。

 

 

 

 

定時で帰るためにやったこと

そんな感じで僕は19時に帰るようになりました。
とは言えそれで成績が落ちたりしたらかっこ悪い。

だから、定時で帰るための工夫をたくさんしました。

 

 

A41枚の中に、とことんスケジュールが見えるように

とにかく効率的に動かないと、と思った僕はオリジナルの「1日スケジュール表」を作りました。

 

ここには、
「面談(商談)」
「テレアポ」
「タスク(メール・見積もり作成・ミーティング)」
と項目が分かれていて、パッと見ただけで1日の流れが分かります。

 

また、
時間毎に分かれてもいるので、
「面談に30分」「テレアポを一気にこなすのに40分」「移動に15分」とスケジュールが”見える化”されます。

こんな感じで徹底的に無駄を省いていきました。

以前、「エッセンシャル思考」という、いかに時間の無駄を省いて集中すべき事に集中するか、が書かれた本が話題になりました。紹介しておきますね。↓

【感想・書評】エッセンシャル思考は、無いはずの時間を生み出す

2017-07-05

 

 

イレギュラーの予定を入れるスペースを作る

しかしギチギチに予定を詰めると、
予定外の予定が入ってしまったら、明日・明後日の予定も含めて一気に予定が崩れます。

A4シートを作ることで、仕事に余裕ができたので、1日のスケジュールの中にも遊びを作ることができました。

 

特に面談や商談の前後の時間は空けるようにしてありました。
面談が長引いたりしても大丈夫だし、イレギュラー案件が入ってきてもその空き時間で対応できます。

 

 

 

 

 

仕事帰りの頃には明日のスケジュールが完璧

そして、帰宅時間にもなると、明日のスケジュールもばっちり出来上がっています。
今日のスケジュールをこなすと平行して、明日のスケジュールを調整し作成していきます。

 

1日が終わる頃には、
今日の仕事のチェックリストには全てレ点がついて、
明日の仕事のチェックリストが完成していると言うわけ。

 

これで次の日出勤すると、
すぐに仕事に取りかかれます。

 

 

 

嫌なことをさっさと終わらせる

心が重いと仕事も重くなります。

 

「あのお客さんに電話するのイヤだな」

「あの資料作るのめんどくさいな」

 

こんなタスクが残っていたら、一番最初にやっていましたね。
動きが鈍くなるのがイヤなので。

 

勢いがあると、イヤな仕事も早く片付くものです。
「早く帰るんや!」の一心があると、なんか勢いがついたんですよね(笑)。

 

 

 

無駄話しない

時間を徹底的に意識するようになってから気づいたのですが、まー、みなさん無駄話の多いこと。
「日中ダラダラしてるから残業になる」と言う上司の方が正しいです。

 

仕事に関わらない私語は極力拒否して、仕事に必要だと思うことしか喋りませんでした。
話が長くなりそうになったら、急に話の腰をボッキボキに折りました。

 

また「今ここでノリを合わせた方が効率的だな」と思ったことには、私語であっても喋っていました。
したたかに、私語の内容を選別していたのです。

 

まあ、イヤな奴だったと思います(笑)。

 

 

仕事を得意な人に振る

 

僕は仕事を振れない人間でした。
「人に頼るのはいけないことだ」と思っていたし、自分の仕事にこだわりが強かったので、変に別のスタッフの手を加えて欲しくなかったのです。

 

 

だからそれまでの僕は、仕事をどうしても抱えがちになっていたし、残業ももちろんしていました。
でも、ここで考え方を変えました。

 

「仕事を得意な人に振ろう!」

 

そう決意しました。
まるで僕が早く帰るために人に振っているみたいですが(笑)。
チーム全体で見た時も適切に仕事を配分すると、全体の仕事量が最適なものになります。

 

 

ただ、ひとつだけ覚悟しないといけなかったのは、
「仕事を振った人がミスっても、自分が全力で謝ろう。
 仕事を振った人がミスっても、決して怒らないでおこう。」と言うことです。

 

 

仕事を振るというのは、あくまで自分の責任。
そこで起きる結果に対しては文句を言わないことです。

 

 

 

 

仕事を断る

そして、反対に自分が得意では無い仕事は断るようにしました。

「なんでも引き受けるのが仕事人」とか以前は思っていたのですが、
なんでも引き受けるのは、何も考えていないことと一緒です。

 

自分の目標と組織の目標、そのバランスの中で、
「断るべきは、はっきりと断る!」をモットーに、余分な仕事量を減らしていきました。

 

 

 

 

 

仕事を引き受ける

しかし、逆に仕事を引き受けることもありました。
「この仕事を引き受けると、チームの仕事が早く進む」と思った時です。

 

組織全体で仕事がいい感じになれば、
自然に自分の仕事が減ります。いっときは仕事が増えるんですけどね。

 

僕なら、この仕事早くできる!と言う仕事は率先してやるようにしていました。
ただ、周りからの点数稼ぎの意味が多少あったのも事実ですが(笑)

 

上司や先輩より早く帰るための若手社員の徹底戦略

2018-05-30

 

 

定時に帰る宣言&定時に帰るオーラ

早く帰るためには、
「あの人、定時に帰る人」と周りに認知されていないといけません。

 

 

帰宅ギリギリで、
「あーー!まだ帰らないで!この案件相談させて!」
とか言われたら困ります。

 

 

だから、
「俺、19時に帰りますから」と宣言したり、
あからさまにもう帰らなあかんからバタバタしてる「定時に帰るオーラ」を出したりしていました。

 

 

この時の口癖は、
「定時以降の仕事に価値は無い」でした。

 

 

なんて生意気な社員なんだ!!!

 

 

 

 

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「俺、定時に帰る」が職場にもたらしたもの

19時に帰ることを徹底した社員の存在が、他の社員にどんな影響を与えたのでしょうか?

 

 

まず、当然ながら上司にはいい顔されませんでしたね。
営業部長みたいな人がいたのですが、その人には目の敵のようにされました。

「お前がいかにロクデナシか」

「私たちがいかに正しく、いかにお前の未来を心配して語りかけているか」

僕としては、仕事の在り方を語りたかったのです(ただしちゃんと実績もあげながら)。
だけど、このように一方的な悪ガキ扱いでした。
しかしこの点は「ちょっと、やり過ぎたな」と反省しています。
商慣習はそう簡単に抜けるものではありませんから。

 

 

 

同僚の反応は、二手に分かれた印象があります。
正直「全員に嫌われるかもなー」と思ってました。
しかし意外な事に好いてくれる人もいました。

 

 

 

「お疲れ様です!!」と、
僕がこれから夜中の2時まで残る同僚達に言った際には…
超白い目線を送る人がいました。
翌日の僕に対する態度があからさまに悪くなる人もいました。

仕事を断ってばかりいたら、
「あいつは自分の仕事を全然しない!」とか言われました。

 

 

しかし、
「おーおつかれ!」と何事もなく振る舞う人もいました。
「お前の真似して早く帰ってみるわ」と言う人もいました。
その人はよく僕のことを「早く帰るやつネタ」で茶化したりもしてくれました。

その人は最終的には、
「お前のその態度、まじで尊敬できる」とも言ってくれました。

 

 

 

 

で、この会社は後々退社し転職することになったのです。
それでその好いてくれた同僚にこの間久しぶりに会ったので最近の様子を聞いてみました。

 

「最近まだ残業続きなん?」

 

「いや、もーええかげん帰るようにしてるわ。
19時に帰って、朝の5時に起きて子供とキャッチボールしてる」

 

「マジで!?」

 

「あんま働いてもしゃーないやろ」

 

「めっちゃええ心がけやな(笑)。
それって、あれか?俺の影響か…?」

 

「もしそうでも、うんって言うわけないやん!」

 

とまあこんな感じで、微笑ましい会話を交わしたのです。

 

この他にも、
「最近は時間外のお客さんを断ってる」なんて話も聞きました。
昔はお客様は神様ですばりの勢いで、時間外でも対応していたのに。

 

もし、多少なりとも彼らにプラスの影響を与えられたのだとしたら嬉しいです。

 

 

 

「俺、定時に帰る」が業績にもたらしたもの

定時に帰る生活が、業績にはどのような影響をもたらしたか。

 

 

社内での営業成績…

 

なんと…

 

年間2位!

 

 

ここが1位じゃないのが僕らしい(笑)。
なんとも中途半端な結果です。

 

でも、遅くまで残っている人を抜いての2位です。
人より平均3時間早く帰ってこの結果です。
まずまずの結果ではないでしょうか。

 

 

 

 

 

「俺、定時に帰る」が自分にもたらしたもの

仕事が早くなりましたね。
効率的になったし、職場内のバランス感覚みたいなのも養われました。

 

「今誰に仕事を振れるか、今どの仕事を引き受けるべきか」
限られた時間の中で業績を達成するために得たこのセンスは、今までの僕には無かったセンスです。

 

 

 

そして、何より自分の時間を使えるようになりました。
19時に退社するのと、22時に退社するのでは、人生が全然違います。
本を読む元気もあるし、映画だって帰りに観に行くことができます。
生きる元気も戻ってきました。

整体師さんには、
「このまま行ったら、この人あの世行くかもと思ってた(笑)」と言われました。
つまり、身体も元気になったんです。

 

当たり前ですが、
働き過ぎは、やっぱりよくない!!

 

 

 

あと余談ですが、
「意外と自分を貫くと、仲間ができるんだな」と知ったのもこの時です。

八方美人には友達がいないって言いますよね。
でもハッキリしている人にはアンチもできるけど仲間もできます。
「嫌われない生き方」は僕にはできない生き方なので、この感じは心地いいなと思いました。

 

 

 

 

 

まとめ

仕事が終わってないのに、定時で帰るのは勇気の必要なことです。
そして本当にただダラダラしてて、ただ早く帰るだけでは、もちろん嫌われるだけです。

 

 

しかし、
「残業」時代にしっかりと問題意識を持ち、
帰ることこそが、職場も業績も改善され、自分もステップアップにつながるなら、
勇気を出して試しに帰ってみてもいいかもしれませんね。

 

 

ただし、
僕みたいに極端なやり方は、あんまりオススメしません(笑)。
ここには書きませんでしたが、けっこう嫌な思いもしましたよ。
その話はまた改めて。

 

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