よっしゃ!会社辞めてやる!さんざんコキ使われたから、
全然使っていない有給も今こそ使ってやる!
でも退職時に業務の引き継ぎが必要だけど、これって義務なの?
早く辞めちゃいたいんだけどな…。
そんな風に考えているあなた!
どの道辞めるのですから、
一度「辞め方」についてちゃんと考えてみましょう。
できたら自分も相手も、すっきりさっぱりして辞めたいですよね?
今日は退職時の引き継ぎに関してのアレコレを述べました。
労務関係は難しい言葉が多いので、
簡単な言葉で表現しています。
お好きなところからどうぞ
仕事は強引に辞められるの?
労働者の権利は意外と強いのです。
まず大前提の辞めることができるかに関してです。
会社側があなたの事が大事すぎて、
あなたの退職を嫌がったりしていませんか?
しかし実は『退職届』を出したら一発KO。
(※退職願は文字通りただのお願いになっちゃいます)
ちゃんと辞められます。
法的な手順をちゃんと踏んで、
法律で決められた日数(最低14日間)を空ければ、
原則的には問題ありません。
(雇用期間に明確な決まりのある雇用契約などは別です)
もしかしたら、
「お前のせいでプロジェクトが決まらないかもしれない」
「空いた穴は、会社にとって重大な損失だ」
など会社はあなたが辞める事に対して、
いろいろ理由をつけて引き止めてくるかもしれません。
しかしチクチク言われたとしても、
それとあなたが辞めることは別問題。
空いた穴をどうするかは、会社が考えるべきこと。
空いた穴はなんとかして埋めてもらいましょう。
また、例えば引き継ぐ後任の適任者が辞める際にいなかったとしても、
引き継ぎ書のような業務内容をまとめたものを作成しておけば、
原則的には問題ありません。
現在の状況で、可能な限り出来る範囲で誠実に対応していますから。
法律はちゃんとフェアなようにできているようです。
とは言え、場合によっては訴えられるかも
「では、辞職届を叩きつけて引き継ぎもしない!」なんてのもアリ?
と思ってしまいます。
しかしこれは注意が必要。
場合によっては訴えられる可能性もあります。
引き継ぎに関して労働者には、
社内の規定などで義務として定めている場合や
信義則上の義務として義務が発生します。
義務、あります。
ちゃんと引き継ぎしないといけません。
「信義則」って何かと言うと、
社会共同生活において、権利の行使や義務の履行は、互いに相手の信頼や期待を裏切らないように誠実に行わなければならないとする法理。信義誠実の原則。※goo辞書
要は「人としてちゃんと責任を果たしなさいよ」、
と言うこと。
なので、
退職届を出して退職日まで有給ずーっと取っちゃうと、
訴えられるだけの理由にはなります。
人としての義務を無視して何をやっているんだ?
または、
社内規定に書いてあるでしょ?何をやっているんだ?
と言う理由で訴えられる可能性はあるのです。
このように、
・まったく引き継ぎをしない
・明らかに故意に引き継ぎをしない
などは、
会社に損害を与える可能性があるので、
特に注意が必要です。
しかしこのように訴えられた場合であったとしても、
・引き継ぎをしていないことと、会社の損害額の関係性はどれぐらいあるか
・辞める人に責任がある割合はどの程度か
・引き継ぎに関して、会社側も事前にもっと努力できたのでは無いか
など、
明らかに辞める人が一方的に悪い!
被害額はこれだけある!
と証明する事が難しいのが実情。
ましてや退職日が前もって明らかであるものの、
その日を目掛けて引き継ぎしていたけど、
時間切れで出来なかった!なんて言う、
「中途半端な引き継ぎで困る!」みたいな場合は
訴えられても会社にも責任があることが予想されます。
事前に期間延長の相談とかできたはずですから。
あくまで一つの解釈としてですが、
なんだかんだで辞める人の方が立場は強いのかもしれません。
裁判はお金や手間もかかるし、
現実的じゃない事も多いですし。
ただし、
・会社にとって重要なシステムのパスワードを
あなたしか知らないのに、聞いても教えてくれない
・顧客情報を明らかにワザと処分した
などは引き継ぎをしていない事とは、
意味合いが異なります。
これ、単なる嫌がらせですよね。
おまけに損害も発生します。
誤解されないように、
近い内容のことをしていないか注意しましょう。
例えば、会社にとって必要なパスコードをあなたが知っているのに、
あなたは有給消化中を盾に電話すら出ない、
などは会社側にとってはワザと嫌がらせしてる?
と思われてもしょうがないかもしれません。
辞める会社だからもう関わりたく無いかもしれませんが、
最後までしっかり対応しましょう。
義務かどうかの以前に社会人としてのモラルの問題
いろいろ述べてきましたが、
法律以上に社会人としてのモラルも大事なのではないでしょうか。
「もういなくなるんだし、どうだって良いよね」
と思う気持ちはすごく分かります。
散々コキ使われてきましたもんね。
しかし、
本当にそれでいいのでしょうか?
なぜ昔から人は
「立つ鳥跡を濁さず」なんて古臭い言葉を
今も大事にし続けているのでしょうか。
昔、僕はよく先輩に、
「権利を主張する前に、義務を果たせ」
と言われたものです。
・できるだけすぐ辞めたい
・有給消化をしたい
・こちらの指定期日で辞めたい
それらは全て労働者が主張する事ができる権利。
否定する事はできません。
しかし、残された社員は引き続き仕事があり、
これからも業務に苦労していくことでしょう。
もしかしたらひどい会社だったかもしれないし、
同僚と上手くいっていなかったかもしれません。
ただし、毎月のちゃんとした給料や福利厚生をもらい、
同僚との関係性の中からあなたの心が少なからず成長した事は、
紛れもない事実。
もちろんそれでも、引き継ぎをちゃんとするかしないかはあなたの自由です。
やっぱり強引に辞めてしまう人もいるでしょう。
それで次の職場で元気に過ごせる人もいれば、
トラブルを抱える人もいるでしょう。
でもここで嫌な気持ちをグッとこらえて、
最後に恩を返すぐらいの気持ちで仕事をすると、
人生が良い方向に向くと思うのです。
義務を果たすのは、
人のために行う行為です。
自分の気持ちをちょっと横において、
最後の最後に人のために何かをできたら、
かっこよくないですか?
これからの運気だってきっと上向きになるんじゃないでしょうか。
義務を果たすことは、
人のために行う行為でありながら、
自分のために行う行為でもあるのです。
強引に辞めたら後から自分への悪影響もあり得る
例えば、
あなたが再就職先の面接に行った時、
職務経歴書に前職の名前が載っていますよね?
再就職先の経営者と前の会社の経営者が、
もし何かの形でつながっていたら、
「前おたくにいた◯◯さん、うちに面接来てるんだけど、働きぶりどうだった?」
って聞かれます。
そして引き継ぎすらせずに退職した事実が知れ渡って、
見事に面接はアウト。
経営者同士は仲良かったりしますからね。
これは、すごくよくある話です。
この話は一例ですが、
強引に何かをすると、
どこかにシワ寄せがくる可能性があります。
よくよく気をつけましょう。
まとめ
以上の事から、
退職の際に引き継ぎの義務に関して、
信義則上または社内規約上などで、義務は存在する
と言えます。
そして、
義務をしっかり果たさなかったら、
最悪訴えられる可能性はあります。
しかし、
単純な損得勘定よりも
もう少しだけ人生を大きく見て、
将来にも良い影響があるような判断をしたいですね。
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