【感想】「もう、怒らない」を読んで、僕は怒らない人になれたのか。小池龍之介さん著

「怒りすぎて、もう疲れてしまったぜ!」って人にコッソリおすすめしたい一冊「もう、怒らない」。
異色の仏教僧侶、小池龍之介さんの作品です。
僕は彼が好きでよく著作を読むのですが、その中でも特にわかりやすい内容のものでした。

 

 

 

 

あなたは怒ってばかりの自分に嫌気がさしていないでしょうか?

 

こんな風に思っていませんか?

「怒りすぎて、友達が減った」

「いつの間にか孤立している」

「自分でも怒るのをやめたい」

「怒ると頭がクラクラするんだよね」

「なんでこんなに怒ってばかりか自分でも分からない」

 

 

 

そんなあなたがなんとなく感じている「もう、怒らない方がいいんじゃないか…」という気持ち、それ正解です。
なんで正解と言い切れるのか、その理由が本書の中に事細かに説明されています。

 

 

 

 

僕もそうでした。僕は見た目とは裏腹に頭に血が登りやすく、汚い言葉を吐くことを得意とするなかなかのゲス野郎でした。
でも、僕は「良いと思ったら即実践する」タイプの素晴らしい性格をしています(自分で言うな)。
小池さんの提案する仏教的メソッドは「すっげー良い」と思ったので、実は数年前にこの本に出会ってからというもの、密かに実践して参りました。

 

 

 

僕は禅をほぼ毎日組んでいます。これぞ最強の読書感想文。実践に勝る感想無し。
というわけで、本書を実践した僕が、果たして怒らない男になれたかどうか、順を追ってご案内していきますね。

 

 

 

 

 

「自分が怒る瞬間」に気づけるようになった

怒るか、怒らないかを明確に分けるなにか。
それは「今、自分の心に何が起こっているのか」にちゃんと気づくことです。

 

 

 

 

でも、人ってなかなか「自分の怒る瞬間」の首根っこをつかまえて、怒るのを止めることは難しいですよね。

こんな時、人は怒りっぱなしになる

・この怒りの原因は、相手のせいだと思っている時

・って言うかどう考えても相手のせいって思ってる時

・自分が正しいと思っている時

・不当に扱われたと感じた時

・怒りを感じないふりをしている時

 

 

人ってこんな時は、
自分の怒りに気づいてやめることができません。
相手を責めることばかりに意識がいったり、自分の正しさを主張することばっかりに意識がいってしまい、「今自分がコントロールを失って怒りまくっている」と気づくのは、ちょっと怒りが落ち着き始めてから。そんな経験は誰にでもあるのではないでしょうか?
また、怒りを感じないふりをしていても、実は体の中で怒りがぐるぐる回っていて、体が怒っている状態なのです。

 

 

 

でも、それでは遅い。
怒りまくってまた誰かを傷つけたかもしれないし、自分の体も怒りでヘトヘトです。
そんな状態が嫌だからみんな「もう、怒りたくない」と思っているのではないでしょうか?

 

 

 

 

しかし、

「あ、今俺モーレツにイライラしてる!」

と早め早めに気づくことができると、一瞬冷静になります。

 

 

これが…

「あ!これ、俺が怒るパターンのやつや!」

とさらに気づくことができたら、だんだん怒らなくなっていきます。

 

 

 

そして…

「お、このパターンでいつも怒ってるよね俺。ふふーーんだ。でも、もうパターン分かってるから怒らないぞ」

とここまできたら、もう怒ることはかなり減っています。

 

 

 

「もう、怒らない」ために必要なのは、
自分の心の状態にイチ早く気づくこと。

 

 

 

なぜ自分はこんなに怒っているんでしょうか?

朝挨拶を返してくれなかった隣人に怒り、通勤電車の中で見たネットニュースのトランプ大統領のセリフに怒り、自動改札でモタついていたオバちゃんに怒り、なんとなく鼻につく同僚が成果を挙げたのを見てイライラして、コンビニ店員のお釣りの渡し方が不親切だったからとちょっぴりイラっとして…1日を振り返るとかなり怒ったりイライラしたりしています。

 

 

それは、そもそも怒っている自分自身に気づいていないから。自分が気づくより先に、怒りが心と体を支配してしまっているのです!!

 

 

この本を読む前の僕には、自分の気持ちに気づく方法なんて難しくてわかりませんでした。
でも、この本には「自分の心の見つめ方」や「本当は心はどのような動きをしているのか」の解説などがされていて、自分の心を見つめ直すにはぴったりの一冊でした。

 

 

 

 

※こんな本も面白かった

同じ「怒り」を扱っていますが、
「仏教」とは違ったアプローチの心理学の「ゲシュタルト療法」を題材にした、超面白いコミックです。

僕には小池さんの本が効きましたが、妻にはこのコミックが効果絶大でした。
妻は「自分の内なる怒り」に気づけたようです。

実はこのひとつ前の記事で感想を書いていますのでよければご参考ください。↓
【感想】「キレる私をやめたい」が、キレやすい妻を変えたぐらい名著だった件

 

 

 

 

 

「怒り」のデメリットを知った

 

「ガツーンと言ったらなあかんねん!」

「いっぱい本音で喧嘩したからスッキリ!」

「怒ったら、なんだか元気になった」

一見、怒ることって悪いことばかりではなく、メリットもありそうですよね?

怒る必要があるから怒ったり、ストレス解消のために怒ったり、ただ相手を言いなりにするためだけに怒ったり、「怒り」って実はメリットもあるから怒るわけで「怒りを我慢する必要なんてないじゃん!」と言う人もいます。

 

 

 

しかし仏道的には怒りはデメリットだらけのようです。

 

 

 

怒って得られるメリットは脳内が見せる幻想…。
ガーー!!っと怒ると確かにスッキリしますよね??でも、あれは幻想らしいです(笑)。
実際は体に不快物質が駆け巡り、怒れば怒るほど余計怒りやすい体質になり、そして段々体を蝕んでいくのだとか…。

怒りのエネルギーに巻き込まれると、心が不快物質を生み出すからです。 ※引用 「もう、怒らない」小池龍之介著

 

現代の脳科学的な話も少し交えながら、怒ると体に何が起こるのかが解説されています。

そして「怒ることで得られるメリット」は本当はぜんぜんメリットじゃないってことが細かく書かれていて「な、なるほどーーー!」となりましたねぇ。いや、本当に怒りって怖いんですよ。

 

 

「怒り」のコントロール方法を知った

自分の感情によく気づくことができるようになった。怒りなんて良いことないから、やめた方がいいと理解できた。

 

 

それでもやっぱり怒ってしまう…。

 

 

それはしょうがないことかもしれません。人間だもの。
そんな未熟な「やらない方が良いって分かっているのにやってしまう自分」を、「怒らない自分」に変えるにはどうしたらいいのでしょうか?
教えて!小池さん!

私たちの暴れ回る煩悩は、「さて明日から欲望を少なめにしよう」と考えたところで、そうあっさりと調教できるものではありません。日々、丁寧に地道にコントロールの練習を積まない限り、人の心は変化しないものです。※引用 「もう、怒らない」小池龍之介著

 

 

やっぱ修行か…(笑)。

 

 

いえいえご心配なさらず。この本を書いたのがお坊さんだからと言って、ひたすら座禅を勧めているわけではありません。
僕は座禅が好きだから組みますけど、毎日続けられない人だっていますよね。

 

 

仏教的な教えを主体に書いてありますが、
むしろこの本で面白かったのは以下のような点です。

・日々どのようなことに気をつければ怒りにとらわれないか?

・心を正すために、自分に課すべき良いルールとは何か?

・怒りにとらわれたらどうすればよいか?

ちょっとした心のお稽古・トレーニング法ですね。

誰にでも毎日心がけていることがあるでしょう?
朝は元気良く挨拶しようとか、始業前に必ずデスク周りを掃除しようとか。
そんな心がけの「怒らない自分になるための仏教的教え」版です。

 

 

比較的トライしやすい心がけから、「むむ!これは僕には難易度高いな!」といったものまで、様々なメソッドが紹介されています。
小池さんの紹介するメソッドは、アンガーマネージメント系のサイトなどでも紹介されているので様々な方のお墨付き

 

実際徐々に徐々に実践していくと、本当に自分がコントロールできるようになっていくから面白い。
自分のできそうな方法はどれかを見つけて、簡単なことから始めたらどうかなーと思います。

 

 

 

 

まとめ 怒らない人になれたのか

はてさて、僕がこの本を実践しはじめて数年が経ちましたが、果たして怒らない男になれたのか…。

 

 

未だに怒っていますね(笑)。
でも、随分と怒ることが減りました。
怒る前に「怒り」に気づけるようになりました。
「怒るパターン」に気づけるようになりました。

 

何より、「どうすれば、怒らない自分に成長していけるか」を分かっているから、その安心感が一番ありがたいですね。
この本の一番の価値は、僕はココだと思っています。その詳細は本書に委ねるとしましょう。

 

 

仏教的な言い方をすると「まだまだ修行中」ですが、引き続き心のお稽古を続けてまいりたい所存でございます。

 

 

 

 

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